テレビ視聴率 低下の原因・背景 若者のテレビ離れ

 

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主要テレビ局の複数年に渡る視聴率の推移 1997年~2014年

ゴールデンタイム HUT

ゴールデンタイム(19-22時の3時間。放送業界で視聴率が高くなりやすい時間帯の和製英語)

HUT(Households Using Television)
総世帯視聴率。調査対象となる世帯全体で、どのくらいの世帯がテレビ放送を放送と同時に視聴していたのかという割合。

ゴールデンタイム-HUT-2014
出典 http://www.garbagenews.net/archives/2020115.html

全日 HUT

1997年から2014年まで
全日-HUT
出典 http://www.garbagenews.net/archives/2020115.html

各局の年度視聴率(1990~) 

http://1st.geocities.jp/june_2007_taste/nendo.html

若者を中心にテレビ離れが起こっている

テレビ視聴率暴落

2005年

NHKの「国民生活時間調査(2005年)」によれば、テレビは年齢が高い人ほど長時間見ており、70歳以上の1日の視聴時間はどの曜日も5時間を超えている。一方、男女20代以下は各曜日を通して視聴時間が短い。特に男20代は、テレビを見る人の割合(行為者率)自体が8割を下回っている。日曜日にテレビを見る時間は10代男性が1995年の3時間34分から2005年に2時間52分、20代男性は3時間48分から2時間45分に減少している。テレビを観る人の割合も同様に10代が94%から84%へ、20代は85%から74%に減少している。

出典 2005年国民生活時間調査報告書 NHK放送文化研究所 2006年2月20日
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/yoron/lifetime/pdf/060202.pdf (p.8)

2009年

テレビやDVDを「ほとんど見ない」と答えた子どもの割合が2009年は6.6%に上り、2.6%だった前回2004年調査の2倍超に増えたことが22日、厚生労働省の「全国家庭児童調査」で分かった。高校生に限ると10.5%で、2004年より6.6ポイント増えた。

出典 47NEWS 共同通信 2011年12月22日
http://www.47news.jp/CN/201112/CN2011122201001336.html

2011年

「2011年のアスキー総合研究所の調査ではすでに20代では7人に1人程度(13.5%)がまったくテレビを視聴していない事がわかった。」

出典 東洋経済オンライン 2011年7月22日「地デジ化で加速するテレビ局“負の連鎖”(1)」 
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/2caa39927c63012b112483cbde66a24e/

特にテレビ離れは若年層に顕著で、国民全体の平日の視聴時間は3時間28分だが、10~20代の男性は2時間を切っている。

出典 NEWSポストセブン 2011.08.11
http://www.news-postseven.com/archives/20110811_28083.html

2013年

2013年1月28日から3月1日まで六週間、ビデオリサーチの関東地区の週間視聴率ランキングにおいて、視聴率の20%を越える番組が存在しなかった。三週間以上連続で20%を越えないのは、このランキングが始まって以来初めてである。

出典 MSN産経ニュース 2013年2月6日
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130206/ent13020610070004-n1.htm

2014年 博報堂メディア環境研究所 メディア接触時間・性年齢別比較

2014年 メディア接触時間・性年齢別比較

2014年トピックス

・メディア接触時間は、テレビに続いて携帯・スマホに。メディア接触時間は、テレビ156.9分、携帯・スマホ74.0分、パソコン69.1分。携帯・スマホがパソコンを上回る。

・タブレット端末の所有率が、初めて20%を超える。東京では、20.9%に。特に男性30代、40代で3割を超えている。主な利用の用途は、「検索(83.9%)」や「動画視聴(51.2%)」、「ニュースを見(50.8%)」など。

出典 http://www.media-kankyo.jp/wordpress/wp-content/uploads/teiten2014.pdf

年代別に見る「メディア定点調査・2014」レポート

博報堂のメディア環境研究所が毎年出している「メディア定点調査」に基づくレポート

4マス(新聞+雑誌+テレビ+ラジオ) 対 ネット(PC+モバイル+タブレット)

出典 若者のメディア接触状況2014:モバイルがテレビ越え、ネットが4マスを更に引き離す – ginzametrics.jp

【メディア接触割合:4マス 対 ネット(10代、20代の男女:東京地区)】

メディア接触割合:4マス 対 ネット(10代、20代の男女:東京地区)

【メディア接触割合:4マス対ネット(30代、60代の男女:東京地区)】

メディア接触割合:4マス対ネット(30代、60代の男女:東京地区)

2018年、行為者率でネット利用がテレビ視聴(リアルタイム)を超える

「全年代(10代~60代)で平均利用時間を見ると、テレビ(リアルタイム)視聴が最も長く、それにインターネット利用の平均利用時間が続くが、行為者率で見ると2012年の調査開始から初めて、平日、休日ともにインターネット利用の行為者率がテレビ(リアルタイム)を上回り、最も高くなった。」

出典 総務省情報通信政策研究所「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd232510.html

行為者率とは、その行為を行った人の割合。
全年代というのは、全年代(10代~60代)すべての年代の平均。
世代別で見ると、10~40代ではインターネット利用の行為者率が最も高く、50~60代ではテレビ視聴(リアルタイム)の行為者率が最も高い。

■2018年 全年代 行為者率と平均利用時間

平日
テレビ(リアルタイム)
 行為者率79.3% 平均利用時間156.7分
ネット利用 
行為者率82.0% 平均利用時間112.4分
テレビ(録画) 行為者率18.7% 平均利用時間20.3分
新聞閲読 行為者率26.6% 平均利用時間8.7分
ラジオ聴取 行為者率6.5% 平均利用時間13.0分

休日
テレビ(リアルタイム) 行為者率82.2% 平均利用時間219.8分
ネット利用 行為者率84.5% 平均利用時間145.8分

■2018年 10代、20代 行為者率と平均利用時間

10代 (平日1日)
テレビ(リアルタイム) 行為者率63.1% 平均利用時間71.8分
ネット利用 行為者率89.0% 平均利用時間167.5分

20代 (平日1日)
テレビ(リアルタイム) 行為者率67.5% 平均利用時間105.9分
ネット利用 行為者率91.4% 平均利用時間149.8分

年代別 テレビ視聴とネット利用の平均利用時間(平日1日当たり)

※テレビ視聴時間は、リアルタイム視聴時間と録画視聴時間の合計。

10代 ※2016年に逆転
2013年 テレビ視聴120.4分 ネット利用99.1分
2016年 テレビ視聴102.4分 ネット利用130.2分
2018年 テレビ視聴84.5分 ネット利用167.5分

20代 ※2014年に逆転
2013年 テレビ視聴145.9分 ネット利用136.7分
2014年 テレビ視聴132.7分 ネット利用151.3分
2018年 テレビ視聴124.6分 ネット利用149.8分

30代
2013年 テレビ視聴175.9分 ネット利用87.8分
2018年 テレビ視聴141.8分 ネット利用110.7分

40代
2018年 テレビ視聴170.5分 ネット利用119.7分

50代
2018年 テレビ視聴197.7分 ネット利用104.3分

60代
2018年 テレビ視聴276.0分 ネット利用60.9分

テレビ離れの背景

①インターネットの普及、娯楽の多様化

インターネット
friederich-sa.com/data/actuimage11278520781.jpg

2008年

「現在、状況は急変している。高齢者はともかく若い世代にとって、コンテンツの選択肢は圧倒的に増えた。youtube・mixi・2ちゃんねる・セカンドライフ・モバゲータウン・Wii。これらはここ数年で、新たに登場したテレビのライバルだ。若い世代にとってテレビのコンテンツは、数ある選択肢の中の一つでしかない。消費者に対する寡占構造は、既に崩れたといってよいであろう。

出典 nikkeiBPnet 2008.7.15
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/080715_4pm/index4.html

2007年

アジャイルメディア・ネットワークが2007年3月15日から3月31日に行った「ブログ読者のメディア利用動向に関する調査」

・有効回答数は最大884件。回答者の年齢は30代前半が23.8%を占めて最多で、20代後半の21.6%、30代後半の16.6%が続いた。
・男女比は男性86%、女性14%。

ブログ読者はテレビを含むマス媒体の利用時間が短く、逆にインターネットの利用時間がきわめて長いことも明らかとなった。「インターネット白書2006」の調査では、1日に5時間以上インターネットを利用する人は全体の16.6%だったが、今回の調査ではその倍以上の37.2%。インターネットを1日に3時間以上利用すると答えた回答者は全体の62.2%に上る。」

テレビを「ほとんど利用しない」と答えた回答者は、インターネット白書2006では3.9%にすぎなかったのに対し、今回の調査では全体の21.2%を占めた。さらに1日当たりのテレビの利用時間を1時間未満と答えた回答者は、インターネット白書2006の23.6%に対し、今回の調査では65%を超えた。

出典 CNET Japan 2007年4月16日
http://japan.cnet.com/news/media/20347164/

2008年

インターネットコム株式会社とJR 東海エクスプレスリサーチは「テレビとインターネットに関する調査」を行い、テレビとインターネットに対するユーザーの意識を探った。

・調査対象はインターネットユーザー330人。
・男女比は男性38.5%、女性61.5%、
・年齢別は、20歳未満0.0%、20代17.9%、30代37.0%、40代27.3%、50代12.4%、60代5.5%、70歳以上0.0%。地域別は、北海道0.9%、東北2.1%、関東40.6%、甲信越0.6%、東海34.5%、北陸0.9%、近畿15.5%、中国2.4%、四国0.6%、九州沖縄1.8%。

Q.家に片方だけ導入するとしたら、テレビとインターネットのどちらを選びますか?
「インターネット」を選んだ回答者は52.7%(174人)
「テレビ」を選んだ回答者は30.6%(101人)
どちらともいえない 16.7%

Q.テレビとインターネットを比較して「どちらのほうが有益な情報を入手できますか?」
「インターネット」との回答が66.4%(219人)
「テレビ」を選んだ回答者は10.0%(33人)
どちらともいえない 23.6%

インターネットでは、検索サイトなどを利用して、さまざまな人々が発信する情報を収集できるが、テレビの場合は、テレビ局が放送したいと考える情報しか我々の元には届かない。また、娯楽番組が中心であるというイメージも、テレビは強い。

Q.「どちらのほうが楽しいですか?」
「インターネット」は44.2%(146人)
「テレビ」との回答は21.2%(70人)
どちらともいえない 34.5%

2006年7月、約2年前の同様の調査では、「有益な情報」ではインターネットが強く、「楽しい」ではテレビが支持されていた。しかし、今回の調査では、娯楽性でもインターネットが支持される結果となった。

出典 internet.com 2008年7月18日
「情報はやはりネットから、娯楽までテレビよりネットを選ぶ傾向に」
http://internetcom.jp/research/20080718/1.html 

②イメージの悪化、信頼度の低下、質の低下


effective-cold-calling.com

やらせや偏向報道・虚偽報道、など多数のメディア問題が発生し、テレビのみならずメディアに対する不信感が高まっている。」

「マスメディア自身が持つ既得権益に対しても不信が高まっている。特にテレビにおいては、自己利益に繋がるような宣伝、自己保身に走った姿勢、礼を欠いた取材態度などが批判されている。」

出典 JBpress 2012年5月10日、「日経エンタテインメント」2009年6月号(日経BP社)、MSN産経ニュース 2012年1月8日

2012年

「2012年6月の朝日新聞土曜版のbeモニターに対するアンケート記事において、75%が最近のテレビはつまらないと答えている。つまらないと答えた人の、つまらないジャンルはバラエティー・お笑い、ドラマ、情報・ワイド番組の順に高い。逆に、つまらなくないと答えた人の面白いジャンルはドキュメンタリー、ニュース、ドラマの順となっている。つまらない地上波放送局はフジ、日テレ、TBSの順であり、面白いチャンネルはNHK、テレ朝、NHK BSプレミアムの順となっている。」

出典 朝日新聞デジタル「be」 2012年6月16日

③時間的制約、リスク回避

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dubosedigital.com

面白い番組しか見たくないという「リスク回避の要求」や、「決まった時間を占有されることに対する拒否感」があると指摘されている。

ネットが引き起こした ? 20 代のドラマ離れ – NHK放送文化研究所

「今回のグループ・インタビュー調査では、どのグループにおいても「ドラマを以前より見なくなった」という意見が多く聞かれた。具体的には、「面白いかどうかわからないのに時間を割きたくない。面白ければDVDを借りればいい」「話題にならないので、見ようとは思わない」「毎週続けて見るのが面倒くさくなった」「いいところで終わって、次週まで待つのがじれったい。また、1週見逃すとわからなくなる」といったコメントがあった。これらの背景をまとめると、

1. 確実に面白い番組しか見たくない。テレビに裏切られたくない、という気持ち
2. 毎週、同じ時間の視聴を強制されることへの拒否感

といったことが、20代がドラマから遠ざかっている要因のひとつと考えられる。ただ、こうした感覚は、ドラマ以外のジャンルの番組においても同様の傾向がみられた。テレビに“裏切られたくない”という気持ちの背景には、確実に成果を得たい=「リスク回避」の欲求があると思われる。「HDDで録画して見たい人が出ているところだけを見る」「ランキングを押さえる」といった行動の背景にも同じ欲求がある。また、同じ時間の視聴を強制されることへの拒否感の背景には、自身で自分の時間を管理したいという「時間管理欲求」があると思われる。見ようと時間をやりくりするのもストレスだし、見逃してしまうのもまたストレスといった番組は選ばず、結果的にいつ見ても話がわかるバラエティー番組を選ぶ傾向につながるのではないか。

こうした思いを生む元にあるのが、自分の欲しい情報を自分で取りにいける、都合のいい時間に作業できる、というネットの特性ではないか。つまり、日常的にネットを利用する20代が自然に身につけてきた視聴スタイルではないだろうか。」

出典 NHK放送文化研究所 2008年6月「テレビは20代にどう向き合ってゆくのか」p.14
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/research/report/2008_06/080601.pdf

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